WordCamp で提供する飲み物・食べ物

長文ですがよかったら読んでください。
会場に来る方の飲食について計画しておきましょう!ランチを提供するにしても、外で食べてもらうにしても、アレルギーなどの食事制限がある方のことも留意するようにしましょう。また、残ってしまったものについての処理もあらかじめ検討しておいてください。

WordCamp の飲み物や食べ物は、そのイベントごとに色々特色が出ます。
地域の美味しいものを生かしたメニューなどはおすすめです。

今までの WordCamp での飲食物の提供の方法について、良かった点、悪かった点の感想を含めて紹介します。

登壇者 (スピーカー) の方に飲み物を用意するのを忘れないようにしましょう。
ペットボトルでも、ピッチャーでも、またはホースから直接でも?! なんでもかまいません。話している途中で、登壇者が「お水ください!」とスピーチを中断させずにすむように、開始される前までに、必ず登壇者の手元に水を用意してください。

参加者にも可能であれば飲み物を用意できると良いでしょう。ウォータークーラー(冷水器) があれば、手持ちの水筒やペットボトルに水を追加してもらうこともできます。故障していないかをチェックしておきましょう。また、水のペットボトル、紙コップに注ぐ形の給水器を用意しても良いでしょう。環境への配慮を心がけるなら、参加者に飲み水を持参してもらいましょう。使い捨て紙コップのゴミを減らせます。

※日本での過去の WordCamp では、会場内に自販機があったり近くにコンビニがある場合、参加者にそちらを利用してもらう事もありました。

朝食とコーヒー

朝食は用意する必要はありません。会場で朝食を提供するようにすすめてくることもあるかと思いますが、ほとんどの WordCamp では、朝食は不要です。
普段から朝食を食べる人は、会場に来る前に食べてくるでしょうし、食べない人はフルーツさえ食べたくないと思うか、あるいは iPad を片手に新しい WordCamp のTシャツを着て、名刺交換をする合間に、さっと菓子パンを食べるくらいでしょう。
したがってコーヒーや紅茶など飲み物があれば充分です。もし、その地域にとびきりおいしい特別な朝食メニューがあるようでしたら、検討してもいいでしょう。
また、もし朝食を提供することになっても、数量に気を付けてください。朝食メニューはたいていすぐに悪くなってしまうので、午後の軽食として提供しなおすこともできません。大量の食べ物を破棄することになり、WordCamp 本部をがっかりさせてしまいます。

もし、地元のコーヒーショップ (一軒でも、複数の店舗からでも) から、コーヒーや紅茶を無料で提供してもらうことができれば、理想的です。どこのコーヒー店が提供してくださったかが分かるように、どこかにお店の名前を明記すると、お店へのささやかな感謝の気持ちになるでしょう (しかも、参加者が自分がどこのコーヒー店のコーヒーがお気に入りかも分かりますしね) 。

無料で提供してくれるコーヒー店が見つからなければ、スターバックスに問い合わせてみましょう。スターバックスでは、大量に注文すれば、割引があります。スターバックスのコーヒーは5時間はもちますし、紙コップとふたもついています (日本ではポットサービスを利用できる店舗もあるので、コーヒーの提供を検討する場合は問い合わせてみるのも良いでしょう) 。
あるいはコーヒー沸かし器があればコーヒー豆を買ってきて、コーヒーをいれることでコストを節約できるでしょう。コーヒー係のボランティアが一人必要になりますね。

ランチ

BBQ / ビュッフェ
2006年サンフランシスコで行われた初期の頃の WordCamp で BBQ ランチを提供して以来、サンフランシスコおよび多くの他の WordCamp では毎年 BBQ です (特に Matt が出席するときには) 。BBQ の内容はほとんどの場合、ビュッフェ形式のセルフサービスです。

利点: みんなビュッフェが大好きです。好きなものを食べられますからね!(ベジタリアンメニューも忘れずに)
欠点: 待ち時間が長い。しかも、腹ペコな誰かが自分の前に並んでいたら、すっかりお皿が空になってしまうかもしれません。またビュッフェは散らかりやすいのも欠点です。ベジタリアンの人にはあまり好まれないかもしれません。
コメント: ビュッフェ形式のランチをする場合は、テーブルを何か所かに分けて、行列が長くなりすぎるのを避けましょう。午前中のセミナーが終了したら行列の交通整理をする必要があるかもしれません。食べ物は業者が提案するよりも多めに発注することをおすすめします。

軽食 (お弁当など)
いくつかの WordCamp では、数種類の軽食を用意して、参加者が好きな時間に自由に取りにきて休憩所で食べたり、またはセミナーを聞きながら食べたりといったランチを提供しています。この場合はフォークなどを使わずに手軽に食べられるもの。ピザや、サンドイッチ、お弁当、おにぎりなどが適しています。

利点: 簡単。スタッフやボランティアの人もずっとついている必要はなく、必要に応じて、食べ物をチェックしたり、ゴミを捨てたりする程度で大丈夫でしょう (ゴミの分別もお忘れなく!) 。
欠点: 予算が非常に少ないという場合以外は、特になし。
コメント: もし WordCamp 会場の周りにすぐに歩いて食べに行けるような場所がない場合、会場で食べ物を提供する必要があります (グルメな食べ物である必要はありません) 。その場合、この軽食を提供する方法が一番手間が掛からず、コストも抑えることができるでしょう。

外食―地元のレストランチケット
大学がある町などでは、地元の飲食店と提供して現金やクレジットカードで支払う代わりに、レストランチケットを発行してそれを使って食事ができる、というシステムを利用できることがあります。
もし WordCamp の会場が、そういったシステムがある飲食店がある地域にある場合、プリペイドのレストランチケットを発行し、参加者に外食に行ってもらうよう案内することもできます。その日に WordCamp で知り合いになったばかりの人と一緒に食事をすれば、交流もできて一石二鳥です。ただし話が弾みすぎて、なかなか会場に戻ってきてくれなかったり、セッション中もついおしゃべりに夢中になってしまうこともあるかもしれませんが。
利点: 参加者側の利点は、会場の外に出てリフレッシュできる、参加者同志の交流が持てる、外部との関わりが持てる。WordCamp 主催者側の利点として、予算に応じてチケットの価格を設定できる、会場に飲食のためのスペースを確保する必要がない。
欠点: レストランチケットシステムを導入している町は少ない
コメント: 会場から徒歩圏内にレストランがあれば、非常によい企画です。

外食 ― クーポン
先に述べたような既存のレストランチケットシステムが存在しなかった場合、徒歩圏内にあるいくつかのレストランで利用できるクーポンを作ってしまうという手もあります。予算に応じて、全額を負担する、一部を負担する(割引)、フリードリンクを付けるなど、クーポンの種類を決めることができます。

利点: 参加者側の利点は、会場の外に出てリフレッシュできる、参加者同志の交流が持てる、外部との関わりが持てる。WordCamp 主催者側の利点として、予算に応じて、クーポンの利用範囲を設定できる、会場に飲食のためのスペースを確保する必要がない。
欠点: 主催者側は企画のために時には出向いて営業する必要がある。
コメント: 会場から徒歩圏内にレストランがあれば、非常によい企画です。

外食 ― 参加者自身に用意してもらう
可能なら参加者自身に各自ランチを用意してもらう (持参するなり、外食するなり) ことができれば、WordCamp 主催者側は、ランチの心配をすることなく WordCamp 本来のコンテンツを企画することに注力できます。
もし会場から徒歩圏内に、レストランなどがいくつかあれば可能な企画です。利点は先のレストランチケットの外食の場合と同様です。この場合、注意しなければならないのは、WordCamp そのもののチケット価格を見直す必要がある可能性があるということです。通常の約2,000円/1日というチケットの価格設定は、ランチ (軽食) の料金込みとなっているからです。

※日本の場合、会場近くにレストランがある事も多く、無料の WordCamp の場合もあるため参加者自身に用意してもらう事がほとんどどです。

利点: 会場の外に出て、参加者がリフレッシュできる、参加者同志の交流が持てる、外部との関わりが持てる。会場に飲食のためのスペースを確保する必要がない。その為のコストを節約できる。
欠点: チケット価格の設定の見直しができれば、特に他の問題はなし。
コメント: レストランが徒歩圏内にあれば、非常に良い企画となります。コストも掛かりません。

会場でケータリング
会場によっては、提携のケータリングから提供する場合のみしか、会場での飲食を許可してもらえないこともあります。

利点: 簡単。会場側で、すべて手配してくれる。
欠点: ほとんどの場合、割高となる。
コメント: もしどうしてもその方法しかない、という場合以外は、あまりお勧めしない方法です。時間を節約すれば、その分どこかでお金がかかることになりますから。

おやつ

午後3時を過ぎると参加者の皆さんも疲れてきます。新しい情報を詰め込み、一日中座って(もしランチライムに外出していれば、座りっぱなしの疲れは避けられます) そして、お昼ご飯を消化することよってスイッチが入った副交感システムは、眠気を誘い、注意力が低下してきます。
そのような場合、血糖値を少し上昇させる午後の軽食が有効です。よく出されるのがクッキーですが、クッキーは炭水化物を多く含んでいて、いったん上げた血糖値をまた下げてしまい、結局疲れてしまうことがあるので、タンパク質を少し含むもの、カロリーメイトや、チーズ、クラッカーなどが良いでしょう。このような食品は多くのメーカーが作っていて、もしかしたら、どこかの会社から寄付してもらえるかもしれません。また、地元のメーカーが軽食を提供してくれるかもしれません。

残ってしまった食品の行方の確保

(※日本では一般的ではありませんが) イベントの前に地域のホームレスシェルターなどにコンタクトをとり、もし食料品が残ってしまったら、引き取ってもらえるかなどを確認しておくとよいでしょう。もし受け入れ先が見つかったら、イベント終了後すみやかに届ける手配をしましょう。

余った食事やゴミの処理について

スタッフや参加者の弁当、ケータリング料理や使い捨て容器入りのドリンクなどを会場で提供する場合はゴミの処理についても計画しておきましょう。会場にゴミ箱が設置されていたとしても、数百人分の食事に関してゴミが発生する際には別途処理費用を請求されることもあります。片付け終了時間に間に合うよう、食事提供の予定やゴミ処理の手順を会場側の担当者と事前に共有しておくことが大切です。

再利用可能な容器で食事を提供し回収してくれる仕出し業者もありますので、会場でのゴミ処理に費用がかさむようならそういった業者を検討してみてください。


このページの文章は、WordCamp Planning の「Food and Beverage」に加筆・修正したものです。
日本語訳 2014年9月5日